モバイルネットワークの”5G”は「諸刃の剣(もろはのつるぎ)」

無線の速度は周波数で決まる

2022年3月現在、日本のモバイルネットワークは"5G"が拡大中であるが、著者が知る限りでは前提として「無線の速度を上げるには電波の周波数を高くする」必要がある。そして、周波数が高くなると壁やコンクリートなどで電波が反射するようになっていく(日本の場合、家など建築物の外で使うことのできる周波数は法律で定められている)。そのため、無線の速度を上げるためには、基本となる周波数を上げる他に、特別な技術を応用しないと実現することはできない。
※ 特別な技術の詳細は専門でないので不明だが、例えば"IEEE802.11″の規格である"g"は同じ周波数帯の"b"の倍以上の速度が理論値では表記されている

無線LANのデメリット

一般的な家庭において無線LANのいずれかの規格を利用していることが珍しくはない時代である。スマートフォンで使われる周波数帯と無線LANで使われる周波数帯は、間隔がなくなってきており場合によっては同じ周波数帯で、通信することもあるようだ。建築物の中で電波を使う場合、外で使える周波数より制限が緩和されており利用することのできる周波数帯が広くなっているが、初期設定ではそのアドバンテージである周波数帯を利用しない設定で出荷されていることも多く、白物家電を始めとした様々な家具などにも、干渉を受けていることが考えられる。

無線LANを遮断してしまう機器について

例えば、無線LANを利用する設定になっているスマーフォンを除いても、「冷蔵庫・洗濯機・ドライヤー・電子レンジ等」が、同じ周波数帯の電磁波(電波)を出してしまうため、ルータと端末の間にそれらがあると通信速度が下がってしまったり、最悪の場合、ルーターとの接続そのものが切れてしまうことがある。
※ 筆者も電子レンジによる接続遮断を経験している。ルーターとの間ではなく別の場所にあったとしても、秒で接続が切れる。

パソコンの隣に置いてはいけない。無理なら、外部接続機器だけでも移動。

今回、最も強く強調したいのは「5G対応のモバイルルーター(docomo・KDDI・Softbank)を利用する場合、パソコンやスマートフォンの近くに設置するのはオススメしない」ということである。

WANを考慮する時代か・・・

序盤に記述したように、今のスマートフォンは"5G"を利用するし、パソコンも稼働している限り電磁波(電波)を発生させている。となると、家庭内にある「5G対応のモバイルルーター」に、外から"5G"(WAN: Wide Area Network)で通信しようとしてくる電波を家庭内で出している様々な電波が妨害することになる。

電波は同じ周波数帯の電波に弱い

筆者の経験では、WANとの接続の強度を表示することが出来る「5G対応のモバイルルーター」を利用していますが、パソコンを起動するとアンテナの表示が1つ落ちます。また、外付けのUSB接続のHDDがありますがコレも接続して稼働状態になると、アンテナが1つ落ちます。特に後者については、パソコンは使わなくても無線LANタイプで録画用にHDDを接続して利用しているような家庭であっても、人ごとではないと思われる。

個人的な対策

筆者の場合、KDDI系であるWiMAXを利用しているのだが、パソコンを使うときに限って電波状況が悪くなるので、調査したところパソコンが原因だと判明した。一応、パソコンはデスクトップなので筐体と「5G対応のモバイルルーター」の距離を取れば解決するが、部屋のレイアウト的に無理だと考えたので周辺機器の場所を変えることで対応した。
あとは、アルミホイルを巻いた厚紙などをパソコンと「5G対応のモバイルルーター」の間に立てておくと効果があるかも。。。


「5G対応のモバイルルーター」は、今では3キャリア(docomo・KDDI・Softbank)で商品が揃い、工事が必要ないなどのメリットがあるとCMなどで打ち出しているが、導入する際は近くに電波を出す機器が他に存在しているかどうかも、考慮してから導入することをオススメする。